睡眠時無呼吸症候群について

こんなお悩みありませんか?





「しっかり寝たはずなのに、よく眠った感じがしない!」
「昼間にもガマンできない眠気におそわれる!」

それは、睡眠時無呼吸症候群かも知れません。
1日24時間の1/3ぐらいは眠っていますので、その間に呼吸が止まるようなことが毎日続けば、当然身体に影響が出てきます。なかには一晩に300回以上の無呼吸を起こしているような重症の患者さんもおられます。睡眠時無呼吸症候群は高血圧や心臓病を引き起こし、5年後、10年後の死亡率を上昇させるとも言われています。そこまでいかなくても、集中力が低下することから仕事の効率が落ちたり、交通事故をおこしたりして、日常生活にも大きな問題を引き起こすかも知れない病気です。

しかし、心配はありません。
きちんと診断して、その対策を立てることでより深刻な状態になるのを防いだり、病気を改善することが可能です。

次のような症状の方は要注意です。

  • 朝起きたときに頭痛がする。
  • 日中に強い眠気が襲ってくる。
  • 強い(迷惑な)いびきをかく。
  • 何度も夜中に起きてしまう。
  • 集中力が低下してきている。

このような症状をお持ちの方は、睡眠時無呼吸症候群かも知れません。
睡眠時無呼吸症候群の患者さんは大きなイビキを伴っていることが多く、大きなイビキの消失と共に呼吸が停止し、この状態が数十秒続くと脳が呼吸を再開させるために覚醒し、脳が眠りにつくとまた呼吸が止まる、といったことを一晩中繰り返します。

その結果、睡眠を十分に取ったつもりでも実際には満足な睡眠が得られていないので、熟睡感が得られず疲れが残ってしまったり、昼間に耐え難い眠気が現れたりします。 また、呼吸が止まることで交感神経が興奮し、血圧が上昇し、高血圧となり、それが何年も繰り返されることで、心筋梗塞などの心疾患、脳出血などの脳卒中を引き起こすと言われています。

これらの合併症のために、5年後、10年後の死亡率も健常者と比べ高くなると報告されています。
たかがイビキと思わず、その中には恐ろしい無呼吸症候群が含まれているかも知れません。

実際に、睡眠時無呼吸症候群の患者さんは健常者と比べて、
高血圧症  約2倍
狭心症・心筋梗塞 2〜3倍
脳卒中   約4倍
の発症率と言われています。

睡眠時無呼吸症候群ってどういうもの?

イビキは気道(呼吸の通り道)に狭いところがあり、その狭いところを空気が通るときに、音が出て、いびきとなるのです。
狭い場所は、主に鼻やのどにありますが、その形態的な狭さ以外にも、眠るときの姿勢や肥満の程度、顎の大きさなどが関係します。さらに狭くなると、完全にふさがってしまい、呼吸が止まってしまいます。これが睡眠時無呼吸です。

1回あたりの無呼吸が10秒間以上続くようなら睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。睡眠時無呼吸症候群とは、呼吸停止や低呼吸状態が7時間の睡眠の間に30回以上、または1時間に5回以上おこすようなら睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
日本では男性の3.6%、女性の0.6%にあるとも言われています。

どういう人が睡眠時無呼吸症候群になりやすいの?

睡眠時無呼吸になりやすい患者さんの特徴として、以下などがあります。

  • 大きなイビキをかいている
  • 肥満傾向にある
  • 下顎(下あご)が小さい
  • 舌が大きい
  • 軟口蓋(のどちんこ周囲の粘膜)が長い
  • 鼻づまりが強い

もし、ご自分が、あるいはご家族が無呼吸かな、と思われるようなら、以下に簡単なセルフチェックがあります。
もし、以下の状況になったとしたら、どのくらいうとうとする(数秒〜数分眠ってしまう)と思いますか?最近の日常生活を思いうかべてお答え下さい。

日中の眠気チェック項目 ほとんど
眠る
しばしば
眠る
たまに
眠る
ほとんど
眠らない
すわって読書中 3 2 1 0
テレビを見ているとき 3 2 1 0
会議、劇場などで積極的に発言などをせずにすわっているとき 3 2 1 0
乗客として1時間続けて自動車に乗っているとき 3 2 1 0
午後に横になったとすれば、その時 3 2 1 0
すわって人と話をしているとき 3 2 1 0
アルコールを飲まずに昼食をとったあと、静かにすわっているとき 3 2 1 0
自動車を運転中に信号や交通渋滞などにより数分間停止したとき 3 2 1 0

各項目の点数を合計していただいて、その合計点数でチェックします。

0〜4点
可能性は低いと思われますが、肥満や生活習慣の悪化で症状が出ることもあります。

5-10点
睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。一度、無呼吸がないか検査を受けることをお勧めします。

11点以上
睡眠時無呼吸症候群が強く疑われます。検査を受けることをお勧めします。